営業の電話がかかってきたとき、効果的に断るには状況に応じた対応が大切です。
丁寧に断る場合から短時間で切り上げる場合、さらに繰り返しかかってくる電話への対策や、強い態度で断る方法まで、シーン別に適切なフレーズと対処法をまとめました。
1. 丁寧に断る方法
まずはクッション言葉を使って切り出すと柔らかい印象になります。
「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」といった言葉を最初に添えるだけで、ぐっと丁寧な言い方になります。
その上で、はっきり断る理由や意思を伝えます。

丁重なお礼+お断り
まず感謝やお礼を伝えてから断ると角が立ちにくくなります。
例えば「せっかくお電話いただきましたが、現在その予定はございません」のように伝えると良いでしょう。
具体的な理由を添える
断る理由を簡潔に述べるのも効果的です。
「申し訳ありませんが、現在のサービスに満足しておりますので結構です」といったフレーズは、丁寧ながら明確に不要であることを伝えます。
シナリオ別の例
営業内容に応じて具体的に断るのも有効です。
保険の勧誘なら「親戚から保険に入っているので変えられません」と伝えるのがおすすめです。
現役の保険営業マンもこの一言で諦めるほど効果的なフレーズです。
また、投資の勧誘なら「恐れ入りますが興味がありません」や「今後もその予定はありません」ときっぱり伝えましょう。
光回線のセールスであれば「現在の回線で満足していますので変更は考えておりません」などと伝えると良いでしょう。

2. 短時間で断る方法
営業電話に時間を取られないためには、早めに切り上げることがポイントです。
電話がかかってきたら、まずは相手の用件を確認して営業電話かどうか見極めましょう。
例えば「恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか?」と最初に尋ねれば、相手にセールスの目的を名乗らせることができます。

素早く用件を判断する
名乗りや話し出しから営業だと感じたら、すぐにでも断りの姿勢を示します。
「申し訳ありません、必要ありませんので失礼いたします」など、簡潔な一言ではっきり断りましょう。
理由を長々と説明する必要はありません。「興味がありません」「結構です」といった短い返答で十分です。

話を引き延ばさない
相手が話している途中でも、切れるタイミングを待ちすぎないようにします。
営業の人は一方的に話し続けることが多いため、適切なところで遮ってでも断りの意思を伝え、電話を切ることを心がけます。
例えば「あいにく今は対応できませんので、この辺で失礼します」などと言い、すかさず電話を切って構いません。

事前にフレーズを準備しておく
とっさの電話でも慌てず対応できるよう、あらかじめ断り文句を用意しておくと安心です。
例えば次のようなフレーズは短時間で会話を終わらせるのに有効です。
- 「申し訳ありませんが、今の環境で満足しているので変更は考えていません。失礼します。」
- 「最近契約を見直したばかりなので、大丈夫です。失礼します。」
- 「来客中につき対応できませんので、失礼いたします。」
どの場合も、一度断意を示したらすぐ電話を切ることがポイントです。

3. しつこい営業電話を防ぐ方法
一度断ったにもかかわらず何度も営業電話がかかってくる場合は、毅然とした追加対策が必要です。
リストから外してもらう
初回の電話で断る際に、「お手数ですが、弊社(私)を電話先リストから外していただけませんか」と伝えておくと良いでしょう。
営業担当者にこちらの番号を名簿から削除してもらえれば、以後かかってくる可能性を減らせます。

再度きっぱり断る
もし再び電話が来たら、「以前にもお断りしました」とはっきり伝えます。
それでも食い下がってくる場合は、「何度お電話いただいても対応いたしかねます」と毅然とした態度で繰り返しましょう。

着信拒否を活用する
しつこい電話は技術的にブロックするのも一手です。
スマートフォンでは発信元番号を指定して着信拒否する設定が可能ですし、電話会社によっては迷惑電話をブロックするサービスも提供されています。
例えば、SoftBankの「ナンバーブロック」は指定した電話番号や非通知設定の番号からの着信を拒否できるサービスです。

法律をちらつかせる
営業電話の中断には法的な後ろ盾も有効です。
実は特定商取引法では、電話勧誘販売において一度「いりません」と断った相手に対し、その後再勧誘することは禁止されています。
つまり「契約しません」「迷惑です」とこちらが意思表示をした時点で、それ以上電話をかけてくる行為自体が違法になり得ます。

然るべき機関に相談する姿勢を見せる
それでも営業電話が止まない悪質な場合には、公的機関への相談を示唆します。
「このまま続くようでしたら、消費生活センター(または監督官庁)に相談します」と告げると効果的です。
実際、不動産業者など業界ごとの監督官庁(例えば不動産業なら国土交通省や都道府県)に苦情を入れることもできます。
違法な営業を行う事業者には業務停止などの行政処分が科される可能性もあるため、そう伝えることでさすがに相手も引き下がるでしょう。

4. 強めに断る方法
相手がなかなか引き下がらない場合や、明確に断りを伝えたい場合は、より強い口調で断ることも必要です。

明確な拒絶の表現を使う
柔らかい表現ではなく、ストレートな言葉で拒否します。
「必要ありません」「興味がありません」「お断りします」など、NOの意思を明言するフレーズを使いましょう。

可能性を一切感じさせない
強めに断る際の鉄則は、相手に「この人にこれ以上営業しても無駄だ」と思わせることです。
少しでも迷いや含みを残すと、「検討の余地あり」と受け取られかねません。
そのため、「結構です」などのシンプルな言葉でキッパリと断言しましょう。

毅然とした態度を崩さない
相手が食い下がってきても、同じ断りの言葉を繰り返すことが大切です。
一度「必要ありません」と伝えたのであれば、相手が何を言ってきても「先ほども申し上げました通り、必要ございません」と繰り返します。
声のトーンは落ち着いたまま、しかし言葉遣いはぶれないようにしましょう。

そうすることで相手も次第に諦めざるを得なくなり、自然と電話を切る方向へと誘導できます。
必要なら電話を切る覚悟も
強い口調で断っても話をやめない相手には、こちらから通話を終わらせる判断も必要です。
「これ以上お話しできませんので失礼します」と最後に伝え、受話器を置きましょう。
前述のように相手に非があるケースでは、途中で電話を切ってもマナー違反ではありません。
むしろ業務やプライベートの時間を守るためにはやむを得ない対応です。
毅然とした断りと適切なタイミングでの終話で、自分の時間とストレスを守りましょう。
最後に、どのような断り方をする場合でも、自分の意思をはっきり示すことが何より重要です。
丁寧に断る場合でも短時間で切り上げる場合でも、一度「断る」と決めたら言葉を濁さずに伝えます。
