迷惑電話への基本的な対応方針は「出ない・関わらない・ブロックする」の三つです。
知らない電話には最初から出ないのが一番ですが、うっかり出てしまうこともありますよね。

知らない番号からの電話には出ない
まず何よりも効果的なのは、「見知らぬ番号からの電話には出ない」ことです。
発信元がわからない電話は出ないのが基本と心得ましょう。
特に非通知や海外からの着信には要注意です。
非通知の場合、まともな用件であれば相手も番号を通知してかけてくるはずなので、「非通知=迷惑電話」と考えて差し支えありません。
また、国際電話についても心当たりがない限り出ないほうが安全です。

電話番号をインターネットで調べてみる
知らない番号から着信があったら、まずはネットで電話番号を検索してみるのも有効です。
1回目の着信では出ずに、その番号をコピーして検索エンジンにかけてみましょう。
もし正式な企業や公共機関の番号であれば、その会社や機関のサイトが検索上位に出てくるはずです。
「役所 電話 03-xxxx-xxxx」などと調べれば、公的機関なら公式サイトに載っています。
一方で検索結果に個人のブログや掲示板で「あやしい電話」「○○の勧誘だった」といった電話番号の口コミ情報が出てくる場合は、その電話は高い確率で迷惑電話です。
実際にその番号から電話が来た人の書き込みはとても参考になります。
例えば「○○という投資話の勧誘だった」「出たら無言で切れた」といった口コミが見られれば、その番号には出るべきではないと判断できますよね。
また、番号の頭を見るだけでもヒントがあります。
固定電話の市外局番(03は東京、06は大阪など)なら地域が推測できますし、080や090で始まる番号なら携帯電話です。

着信拒否(ブロック)を活用する
何度もしつこく電話をかけてくる特定の番号がある場合は、着信拒否設定(ブロック)を活用しましょう。
着信拒否とは、指定した電話番号からの着信をこちらに鳴らさず遮断してくれる機能です。
ブロックした番号から電話がかかってきても、こちらのスマホには着信音も履歴も残らないので、煩わしい電話に邪魔されずに済みます。
スマートフォンには標準で着信拒否機能があります。

Androidスマホの場合、電話アプリ(通話アプリ)からブロック設定ができます。
一般的な手順は以下のとおりです。
step
1通話履歴を開く
ホーム画面から電話(通話)アプリを起動し、「履歴」タブを開きます。
最近の着信履歴一覧が表示されるはずです。
step
2ブロックしたい番号を選ぶ
履歴の中から迷惑電話の番号を長押しするか詳細メニューを開き、「ブロック」や「着信拒否」のオプションを選択します。
機種によって文言は異なりますが、「ブロックして迷惑電話として報告」といった項目の場合もあります。
step
3ブロックしたい番号を選ぶ
選択すると「この番号を着信拒否しますか?」と確認が出るのでOKすれば完了です。
以後、その番号からの電話は自動で切られます。
機種によっては手順が多少違いますが、概ね「履歴から対象番号をブロック登録する」流れは同じです。
迷惑SMSも同時にブロックしたい場合は、メッセージアプリ側で同様に番号ブロックする機能があります。
なお、非通知や「番号不明」の着信そのものを一括拒否する設定も可能です。
多くのAndroidには「非通知電話をブロック」するオプションがあります。
例えば通話アプリの設定を開き、「ブロック中の番号」一覧から「不明な番号をブロック(拒否)」といった項目をオンにします。
こうすると、発信元番号が表示されない電話は最初からシャットアウトできます。

iPhoneでも個別番号のブロック機能が備わっています。
設定方法は次のとおりです。
step
1着信履歴から選ぶ
iPhoneの「電話」アプリを開き、下部メニューから「履歴」タブをタップします。
最近の着信一覧からブロックしたい番号を探しましょう。
step
2情報画面を表示
ブロックしたい電話番号の右側にある「i」マーク(情報)をタップします。
その番号の詳細情報画面が表示されます。
step
3着信拒否を設定
詳細画面を下にスクロールすると「この発信者を着信拒否」という項目があるのでタップします。
確認メッセージが出たら「着信拒否」を選択して完了です。
以降、その番号からの電話は受信しなくなります。
ブロックした番号は、「設定」アプリ内の「電話 > 着信拒否した連絡先」から一覧で確認・管理できます。

スマホの設定で迷惑電話を自動ブロックする
個別の番号をブロックする以外にも、スマホ自体の設定で迷惑電話全般をシャットアウトする機能があります。
知らない番号からの着信そのものを最初から防ぐ設定を活用すれば、より高い安心感が得られます。
iOS 13以降のiPhoneには、「不明な発信者を消音」という心強い機能があります。
これをオンにすると、連絡先に登録していない知らない番号からの電話は自動で消音(留守電行き)にできます。
国内・海外問わず連絡先にない発信元の電話はまとめて着信拒否するイメージです。
設定方法は簡単です。iPhoneの「設定」アプリを開き、「電話」をタップして「不明な発信者を消音」をオンにするだけです。
これで、知らない番号からの電話は着信音が鳴らず、通知も表示されません(相手側には話中音か留守電対応になります)。
電話があったこと自体は着信履歴に残るので、後で番号を確認することはできます。
この機能を使えば怪しい電話に出てしまうリスクは大幅に減ります。
ただし重要な電話もブロックしてしまう可能性がある点には注意しましょう。

Androidにも機種によりますが、迷惑電話を検知して警告する機能やスパム電話を自動ブロックする設定があります。
Googleが提供する標準の「電話」アプリ(一部機種に搭載)では、迷惑電話の可能性が高い着信に「迷惑電話(スパム)の疑い」と表示されたり、自動で着信をフィルタしてくれる機能があります。
設定アプリの「通話」や「発信者番号表示/迷惑電話識別」といったメニューで有効にできます。
また、携帯キャリア各社も迷惑電話対策サービスを提供しています。
ドコモの「迷惑電話ストップサービス」では、あらかじめ登録した最大30件の番号や非通知・公衆電話からの着信を自動拒否できます。
迷惑電話の着信を拒否すると、相手には「おかけになった電話番号への通話はおつなぎできません」というメッセージが流れ、電話が切断されます。
さらに、ワン切り対策として非常に短い着信は履歴に残さない設定も可能とのことで、このサービスはドコモでは無料で利用できます。
auでも「迷惑メッセージ・電話ブロック」といったサービスを提供しており、データベースをもとに迷惑電話を検知して警告表示してくれます。
ソフトバンクは以前「迷惑電話ブロック」というサービスを提供していましたが、現在は有料オプションの「ナンバーブロック」などで同様の着信拒否が可能です。
このように、スマホ本体やキャリアの機能を使えば迷惑電話を受ける前に防ぐことができます。

迷惑電話対策アプリを活用する
スマホの機能だけで不安な方は、迷惑電話対策専用のアプリもぜひ活用しましょう。
アプリを入れておけば、電話が鳴った瞬間にその番号が迷惑電話かどうか画面表示で警告してくれるなど、心強い味方になります。

日本発の迷惑電話識別アプリで、膨大な事業者情報とユーザーから報告された情報に基づき、着信時に相手の安全性をチェックして表示してくれます。
使い方も簡単で、アプリをインストールした後、iPhoneなら「設定>電話>着信拒否設定と着信ID」で電話帳ナビをオンにするだけ(Androidも類似の手順)です。
着信があると相手の番号の「迷惑度」を教えてくれるので、「見覚えのない番号だけど出ても大丈夫かな?」という悩みを一発で解決できます。
ユーザーがブロックした迷惑番号の情報をみんなで共有・蓄積しているため、使えば使うほどデータベースが充実し精度が上がっていく仕組みです。
無料アプリながら情報量が非常に多く、企業や公共機関の番号であれば発信元名も表示されます。

全世界で1億以上ダウンロードされている有名な迷惑電話ブロックアプリです。
世界中から集めた26億件以上もの電話番号データベースをもち、知らない番号の発信者をリアルタイムで特定してくれます。
迷惑電話の自動識別・ブロック機能も強力で、データベースに基づいてスパムと判断された番号は自動的に着信拒否リストに追加されます。
SMSの迷惑メッセージにも対応しており、怪しいSMS内のURLをスキャンして警告してくれる機能もあります。
基本機能は無料で利用でき、プレミアム版にアップグレードするとより高度なブロック設定やデータ更新が可能です。

上記2つが特に人気ですが、他にも「トレンドマイクロの詐欺バスター」(セキュリティ企業が提供する詐欺電話対策アプリ)や、迷惑電話フィルター機能付きの通話アプリ(TobilaPhoneなど)もあります。
いずれにせよポイントは「知らない番号でも、誰からかすぐ分かるようにしておく」ことです。
アプリを入れておけば「あ、これは出ないほうがいいな」と瞬時に判断できますし、万一間違って出てしまった電話でも通話中に警告表示が出るものもあります。

迷惑電話対策アプリはインストール後に一部設定が必要な場合があります。
iPhoneの場合、「設定 > 電話 > 着信拒否設定と着信ID」でそのアプリを有効化し、Androidの場合も電話アプリの着信ID機能と連携させる設定があります。
最初だけ設定すればあとは自動で働いてくれるので、一度導入を検討してみてください。
自分で番号を調べたり覚えたりしなくても済むので、とても便利です。
もし迷惑電話に出てしまったら…その場での対応策
ここまでは「出ない・防ぐ」対策を中心に紹介しましたが、うっかり迷惑電話に出てしまうこともありますよね。
発信元の番号がたまたま似ていて勘違いして出てしまったり、非通知でも仕事の電話かもしれないと出たらセールスだった…なんてこともあるでしょう。
そういう場合でも慌てず適切に対処すれば被害を防げます。

電話でこちらの名前や住所、家族構成、勤め先、銀行口座番号や暗証番号などを聞き出そうとしてきたら要警戒です。
たとえ相手が(「役所の者ですが」「カード会社の〇〇です」など)と言っても、その場で情報提供はしないでください。
少しでも「おかしいな」と感じたら、「折り返します」と言って一旦電話を切りましょう。
そして自分で電話帳や公式サイトに載っているその機関の正式な問い合わせ先に電話して、今の電話の真偽を確認するのが安全です。
本物の担当者に「先ほど〇〇と言う人から電話を受けたのですが…」と尋ねれば、詐欺かどうか判別できます。

しつこい勧誘や明らかな詐欺電話だとわかると、つい怒鳴ってやりたくなるかもしれません。
しかし、ぐっとこらえて冷静に対応しましょう。
攻撃的な態度は相手を逆上させ、後々さらに嫌がらせ電話をかけてくる原因になりかねません。
犯罪グループ相手では何をされるかわからない怖さもあります。
腹立たしい気持ちは分かりますが、「結構です」「興味ありませんので失礼します」と静かに告げて通話を終えるほうが得策です。

特に悪質な迷惑電話(脅し文句を言われる、何度切っても頻繁にかかってくる等)の場合、決して一人で抱え込まないでください。
相手が「警察に言うなよ」「お前の居場所はわかっている」などと脅してくるケースもありますが、それに屈して放っておくのは危険です。
家族や信頼できる人に相談し、必要なら警察や消費者ホットライン(国民生活センター等)に連絡しましょう。
「変な電話がしつこくて怖い」と警察に相談すれば、助言や場合によっては捜査もしてくれます。
